キリマンジャロの雪

 

たとえ貧しくても
やさしい心さえあれば
たとえ貧しくても

思いやる心さえあれば

 世界はあたたかい

2011/フランス/ロベール・ゲディギャン監督

●6月例会                                                       

16(日) 。隠院В娃亜´■隠魁В械
17(月) 。隠粥В娃亜´■隠后В娃

例会場は、京都教育文化センター

 

 

 港町マルセイユの埠頭。青い作業着を着た男たちが並んでいる。主人公ミシェルが労働組合の委員長をしている会社も人員削減を余儀なくされ、労使間の協議で20名の退職者をくじで選ぶことになった。ミシェルが次々と名前を呼び上げていく中、彼の名前が呼ばれる。委員長の権限でリストラの対象から外せたにもかかわらず、彼は自分の名前もクジに入れていたのだ。 ミシェルは妻マリ=クレールに、自分がリストラにあったことを告げる。妻は戸惑いながらも、気骨あふれる夫を誇りに思っていた。

 ふたりの結婚30周年を祝うパーティーが行われ、リストラされた社員も含めた多くの仲間が招待された。孫たちの合唱「キリマンジャロの雪」と共に夫婦の長年の夢だった、アフリカ・キリマンジャロへの旅が家族から贈られた。しかし、このサプライズプレゼントは思わぬ事態を呼んでしまう…。 ミシェルとマリ=クレールは、妹夫婦ドゥニーズとラウルらといつものようにカードゲームに興じていたある日の夜、突然マスクをした強盗二人に押し入られる。強盗は金品と共にキリマンジャロ行きのチケットを奪っていった。まじめに善良に生きてきたのに、なぜ自分たちがこのような目にあうのか、と悲しみに暮れるミシェルたち。ドゥニーズは事件をひきずり、日常生活を送れなくなってしまう。ラウルはそんな妻を見て、犯人への憎悪が膨らんで いくばかりだった。

 数日後、犯人のひとりが、ミシェルと一緒にリストラされた青年であることが判明し、ミシェルとマリ=クレールは大きなショックを受ける。しかし、青年が幼い弟二人を養い、借金と生活苦に行き詰っての犯行であったことが明らかになり…。

 


 

 港町マルセイユに住むミシェルとマリ=クレールは、結婚30周年をむかえる熟年夫婦。 夫ミシェルは労働組合の委員長として闘う道を歩んできた。そんな気骨あふれる夫を支えてきた妻マリ=クレール。幸せな生活を送っていた二人だったが、夫がリストラにあい、強盗に押し入られるという事件まで起こる。しかも犯人はミシェルと一緒にリストラされた元同僚の青年だった。しかし、青年が幼い弟二人を抱え、借金に行き詰っての犯行であったことが明らかになり…。


            『キリマンジャロの雪』は、厳しい状況におかれても人を思いやることの大切さを描いたヒューマンドラマです。長年連れ添ってきた夫婦、ミシェルとマリ=クレールは思わぬ犯罪に巻き込まれ、苦しみ、とまどいながらも、ある選択をします。困っている人に手を差しのべずにはいられない彼らの決断は、喜びも悲しみもともに分かちあう、人と人のつながりの素晴らしさを優しく語りかけてきます。

本作は、文豪ヴィクトル・ユゴーの長篇詩≪哀れな人々≫から着想されました。おたがいを信じ、助けあう、ユゴーが信じた人間が本来もつ善良な魂は、時代を超えて、私たちに響いてくるのです。 世界的に経済が悪化し、日々の不安が増す今日、このマルセイユを舞台にした心あたたまる物語は、観る者に励ましと勇気を贈ることでしょう。
            フランスで半年以上のロングラン上映、300万人超を動員した大ヒット作『マルセイユの恋』(97)をはじめ、生まれ育ったマルセイユを舞台にした作品を数多く撮ってきたゲディギャン監督。本作『キリマンジャロの雪』でも、おなじみの家族のようなキャスト、スタッフとともに、マルセイユで生活する労働者と南仏の光と海をのびのびと活写しています。マルセイユをまるごと味わえるような、バーベキュー、ロゼワインとブイヤベース、サッカー観戦、ビーチでの団らんなど、ささやかな日常の風景さえも映画に彩りを与えるのは、この地を知り尽くす監督だからこそ。社会問題を背景にしながら、市井の人々の悲喜こもごもを描き続けてきた監督ならではの魅力が溢れる本作も、フランスで大ヒットを記録しました。

 

題名の『キリマンジャロの雪』は、ヘミングウェイの有名な短篇小説からとられたものではなく、1966年にフランスで大ヒットしたパスカル・ダネルのシャンソンのタイトル。切なく美しいそのメロディははるか彼方キリマンジャロへの憧憬を現わしているようです。

      


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