恋するトマト

 

 

大切なものは土と水と太陽。

そして、あなた。

 
 
 2005年/日本/南部英夫監督

 
22(日) 2:00〜
23(月) 。押В娃亜´■掘В娃
24(火) 7:00〜

例会場は、京都教育文化センター

●1月例会

 

 

 

  

 都会に暮らす人たちには、実感しにくいことかも知れないが、恋愛や結婚が遠い世界の話でしかない男たちが日本の農村には少なからず存在する。農家の長男に生まれたというただそれだけの理由で、結婚をあきらめる男たち。現在の農村の最大の悩みは嫁が来ないこと、それによって引き起こされる後継者不足。そのため日本の農業は窮地に追い込まれ、近い将来、国内で食物を作る人間がいなくなってしまう恐れすらある。それはとりもなおさず食糧自給の壊滅を意味するのだが、「恋するトマト」の主人公、野田正男は、こうしたわが国の農村の危機を一身に体現した存在である。40才を越えていまだ独身、それでもお見合いを重ねて必死に結婚へとあがいている。


 

 そうした社会的なテーマを背景に覗かせながら、物語はラブロマンスという映画が最も輝く道をひた走る。遠い異国の地・フィリピンで、運命に導かれるように出会う正男とクリスティナの恋は、ふたりに共通する作物を育んでいく喜び、大地へのいつくしみ、太陽や水への感謝の気持ちなどと相乗しながら瑞々しく育まれていく。
  正男を演じる大地康雄が素晴らしい。大地は、この「恋するトマト」においては、主演俳優であるにとどまらず、企画、脚本、製作総指揮と一人四役を演じている。大地の情熱がこの映画を作らせたと言って過言ではない。今から10年以上前の平成3年、友人に誘われフィリピンを訪れた大地は、貧しくも明るく前向きなたくさんの人々と出会い、いつかこの国で映画を撮りたいと夢想する。その後、作家の小檜山博、結婚して日本に暮らすフィリピン人女性・クリスティナ、茨城の農家の人たち……様々な人たちとの出会いによって、映画製作の構想はだんだんに具体的な輪郭を見せ始める。原作を小檜山氏に依頼し、その原作をもとに自ら脚本を執筆し、監督をベテラン南部英夫に委ね映画製作全体を主導する。この映画作りへの情熱がスクリーンにそのまま大地演ずる野田正男を輝かせている。

 

 


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