紙屋悦子の青春 

 

 

あいつの分も私はあなたの事は大事にせんといかんとです。

ずっと待っちょいますから。
 
 
2006年・日本・黒木和雄監督

 
16(日) 2:00〜
17(月) 。押В娃亜´■掘В娃
18(火) 7:00〜

例会場は、京都教育文化センター

●3月例会

 

 

 

 

 昭和20年、鹿児島の片田舎に住む紙屋悦子は、東京大空襲で両親を亡くし、兄夫婦と3人、寄り添うように暮らしていた。長引く戦争に、不安は募るが、酸っぱくなった芋に文句を言ったり、亡き父の思い出話に大笑いしたりと、家族と過ごす時間は、楽しいものであった。ある日、悦子に見合い話しが持ち上がった。相手は、兄の高校の後輩である明石少尉の親友、永与少尉だった。悦子と明石は、密かに心を寄せ合っていた。しかし、海軍航空隊に所属する明石は、明日の命も危ぶまれる身。自分よりも、生き残る可能性が高い永与に、悦子を任せようとしたのだった。当日、緊張のあまりしどろもどろになりながらも、真摯(しんし)な愛情を示す永与に悦子は好感を抱く。数日後、悦子は明石の特攻隊出撃が決まったことを知らされる。 

 

 『美しい夏キリシマ』の黒木和雄監督が、松田正隆原作の戯曲を、美しく静かなタッチで映像化した。松田氏の実の母親がモデルの、実話に基づいたストーリーで、撮影で使われた家に、今も母上は住んでいるという。作品中には、悦子の小さな家と、兄夫婦、明石、永与しか登場しない。昭和20年代そのままに再現された家や、道具たちを背景に、物語はゆっくりゆっくりと進む。無駄な物、贅沢な物が何一つなく、まじめさが評価された時代の人々の美しさを、言葉少なく、描きつくしている。主演は、原田知世、小林薫、永瀬正敏ら。華やかな演出が何一つない中での、“人間“を演じる技量が光る。質素と言う「日本の美」を、久しぶりに見た作品。

 

 

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