みえない雲

逃れるすべのない被爆事故の中で
ハンナは愛によって生き、
生きるために愛する。
 
2006年/ドイツ/グレゴール・シュニッツラー

 
15(月祝) 2:00〜
16(火) 。押В娃亜´■掘В娃
17(水) 7:00〜

例会場は、京都教育文化センター

●9月例会

 

 

 

  

 美しい自然に囲まれたのどかで小さな街シュリッツ。緑深い森に風が吹き抜ける中、高校生のハンナは自転車で湖へと向かっていた。同級生のマイケと登校前にひと泳ぎする計画だ。ハンナは少し口うるさい母親と幼い弟ウリーの三人で幸せに暮らし、来年の卒業後は街を出て大学に進むつもりでいる。そこにはいつもと何も変わらない時間がゆっくりと流れていた。
 ある日の授業。高校生のハンナは、光合成の質問をされ回答に窮してしまう。その時、転校生のエルマーが質問を引き継ぐことで彼女を助けてくれた。これをきっかけに、ハンナはエルマーの存在が気になるように。そして授業中にエルマーに呼び出された彼女は、人気のない教室で突然彼にキスをされる。束の間、愛を交わす2人。だがその時、校内に警報が鳴り響いた。それは近隣の原発で事故が起こったことを知らせるものだった…。様々な情報が飛び交うが、エバースベルト原発で放射能漏れの事故が起こり、そこは母が仕事で行っているシュヴァインフルトのすぐそばである事が分かる。そして警察のアナウンスでは住民は家に留まるように指示していたが、みんなは車で逃げる準備を始めていた。
母親の無事も確認できないまま、ハンナは勇気を振り絞りウリーと駅を目指して自転車をこぎ始めていた。警察が道路を封鎖し車は全く動かず大渋滞となり、そこに遠くから黒い雲が迫ってくるのだった……。
 

 ドイツのベストセラー小説を映画化。原子力発電所の事故により引き裂かれてしまう少女と少年の愛を描いたラブストーリー。幸せを手に入れた瞬間に訪れた、原発事故による大災害。その極限状況で次々に降りかかる困難に対し、時には膝を屈しながらも愛を原動力に乗り越えていくハンナとエルマーの姿は、感動と希望を与えてくれる。さらにこの物語は、原発事故の悲惨さやパニック状況での人間心理などもリアリティを持って描かれており、現代社会に対する警鐘も鳴らしている。もし原発事故に巻き込まれたら、自分ならどうするか? 何を考え、何のために行動するのか? そんなことも考えさせられる作品だ。

 

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